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「お前、砂になりたいのか?」土曜に更新ショートショート

土曜に更新ショートショート

 

「お前、砂になりたいのか?」

 

「なりたくはない。」

 

「だろうな。よけろ。」

 

「やだね。」

 

 

するとテツはガクの座っていたソファーを砂に変えた。ガクはソファーが砂に変わると同時に立ち上がった。

 

 

「何でもかんでも砂にするな。」

 

「知らね。」

 

「砂遊びもいい加減にしろ。お前は砂漠に帰れ。」

 

「帰る金くれよ。」

 

「え?そしたら十万やるから帰れ。」

 

 「手切れ金か?少ないにも程がある。」

 

 

無言でガクはテツに十万円を手に握らせた。テツはそれを胸ポケットに入れると、ガクの腕を掴み、腕時計を素早く奪い取って二階の窓から飛び降りた。ガクが窓から下を見下ろした時にはもうテツの姿はなかった。そして庭にあった木や花壇がなくなり、一面が砂に変わっていた。

 

次の日、ガクはテツの家に行ってみた。ドアが少し開いていたので中に入ってみると、二階からテツの声が聞こえたのでガクは階段を駆け上がった。

 

 

「誰だ!」

 

「俺だ!」

 

テツはガクの声を聞くと、バーン!と部屋のドアを勢いよく閉め、すぐに鍵をかけた。

 

「お前!砂になりたいのか!」

 

テツの大声が響くと同時に、ガチャーン!となにかが壊れた音がした。慌ててガクは部屋のドアをなんとか開けようとドアノブを何度も蹴り続けた。ドアノブが壊れるとドアが開いた。

 

部屋に入るとテツの姿はなかった。壁の鏡が割れ落ちていて、砂と混ざっていた。よく見るとそこにガクの腕時計が見えた。取り出すと文字盤に砂が少し入っていたが、腕時計は動いていた。

 

 

(終わり)

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

ショートショート「お前、砂になりたいのか?」でしたー。

 

ではではー。